リモンチーノって?
リモンチーノを作るのに必要な材料は、レモンの皮、砂糖、蒸留酒の3つだけ。
とてもシンプルなリキュールです。
リモンチェッロと呼ばれることのほうが多いかもしれません。
アルコール度数は約30%ながら、豊かな香りと甘さにより口当たりが非常に良いことが特徴です。
リモンチーノは古くから南イタリアの食生活に寄り添ってきました。
庭育ちのレモンを使って作られるどこか懐かしいおいしさは、各家庭によって微妙に異なります。
日本人が自家製の梅酒を家族で楽しむように、イタリアではリモンチーノが家庭の味として親しまれてきました。
自然の香りを食卓に取り入れ楽しむ、豊かな生活――。
一家団らんで過ごすかけがえのない時間を、リモンチーノのやさしいおいしさが支えているのです。
自然農法の瀬戸内レモン
「鞆の浦リモンチーノ」を製造するにあたっては、
広島県尾道市瀬戸田町のレモン農家さんと独自に提携を結び、
自然農法のレモンを提供していただいています。
このレモンには「ともの」のこだわり、農家さんのこだわりが詰まっているのです。
レモン選びは「鞆の浦リモンチーノ」の品質に大きく関わる問題でした。
一般的にレモンの栽培には、農薬や化学肥料が使われています。
しかし、農薬が付着したレモンの皮を使うという選択肢は「ともの」にはありませんでした。
しまなみを行き無農薬のレモンを探していたところ、
レモンの名産地瀬戸田町にて、自然農法にこだわる農家さんとのご縁に恵まれました。
自然農法とは、無農薬、無肥料、水やりすらしない環境で、文字通り自然に根差した農作物を育てる取り組みです。
自然農法によって作られたレモン。その皮こそがリモンチーノ作りのベストパートナーだったのです。
柑橘類は外皮に精油を蓄え、その香り成分で病害虫から実を守ります。
さらに、環境からのストレスがかかれば皮はごつごつと厚みを増し、香り成分もより芳しく強化されます。
これはレモンにも共通の性質です。
自然を生き抜く生命力がぎゅっと詰まったレモンの皮。
農家さんのこだわりによって生まれた瀬戸内海の恵みを最大限生かすことが、
「鞆の浦リモンチーノ」の豊かな香りにつながっているのです。
コクを引き出す糖蜜
リモンチーノはシンプルな製法である分、材料それぞれの味や性質が大きく影響します。
そのため、砂糖にもこだわりをもって研究開発を進めてきました。
「ともの」が求めたのは、爽やかなレモンの香りと甘さの奥に旨味が覗く、
そんなやさしいおいしさです。
人工甘味料では成せない「身体にもおいしい」味わいは、含蜜糖をブレンドすることによって作られました。
上白糖やグラニュー糖などに代表される分蜜糖に比べ、ショ糖の純度が低い砂糖。これが含蜜糖です。
純粋な甘さではありませんが、それは取りも直さずコクや旨味、栄養分が豊富だという証拠。
含蜜糖特有の味わいをレモンの香りとうまく調和させ互いに高め合うため、試行錯誤を重ねました。
「鞆の浦リモンチーノ」には北海道産のてんさいグラニュー糖と沖縄産のきび砂糖をブレンドし、使用しています。
茶色い含蜜糖を使いながらも、リモンチーノのふんわりとしたイエローカラーは損なわない。
旨味がありながらもレモンの香りを邪魔しない。
むしろ単なる甘味でないことが、重層的な奥行きを感じさせる味わいになっています。
「身体にもおいしい」を妥協しなかった結果、
どんな面から見ても素敵なリキュールに仕上がりました。